賃借店舗の明渡しを請求された! さあ、どうしよう。
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賃借店舗の明渡しを請求された! さあ、どうしよう。
弁護士 渡辺登代美
1 家主から、「建物が老朽化したから、建替えたい。」と言われたら
長年店舗を賃借して営業している場合に、家主から、「建物の老朽化」を理由に、契約解除・建物明渡を請求されることがあります。
「建物の老朽化」は、更新拒絶や契約解除をする場合の正当事由のひとつになり得ますが、賃貸借契約を継続することができないほど「老朽化」しているかどうかは、問題になります。現に、店舗として営業できているのですから、一概に「老朽化」とまでは言えない場合が多いと思います。
そのようなとき登場するのが、正当事由の補完事情としての立退料です。借地借家法28条では、「建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出」と表現されています。近ごろは、この立退料の金額を考慮して、明渡しが認められることが多くなっています。
2 立退料の金額は、どうやって計算するの?
では、立退料の金額は、どのようにして算出するのでしょうか。
(1)まず、移転には費用がかかります。引越代や、新たに借りる物件との賃料の差額、新たに借りた場所の内装・設備備品代などです。これは、実際にかかる費用が算出できるので、比較的わかり易いです。
(2)次に、休業に関わる補償。移転の前後は、営業ができませんから、その間の損失を補償してもらわなければなりません。休業中でも従業員に支払わなければならない給料や固定経費も含まれます。
(3)そして、得意先の喪失に関する補償です。店には、その地域の得意客が必ずいます。店舗を移転すれば、それらの得意客は、通常移転先の店舗まで行くことができず、失われます。店主は、それらの代わりに、新たな地域で新たな顧客を獲得し、お得意さんになってもらうよう努めなければなりません。当然ですが、これには時間がかかり、もとの顧客数や売上に戻すことができるまでの間、相当に売り上げは減少するのが通常です。これも補償してもらいたいですね。
3 問題は、営業利益の証明方法
ここで問題になるのが、元の店での売上や営業利益の証明方法です。公的なものとして、裁判所でも確定申告が重視されますが、節税を行なった結果、申告額が実際の売上額よりも少ない場合が散見され、頭の痛いところです。
しかし、毎年赤字であれば、生活できるわけがなく、店舗の営業も継続できるはずがありません。どのようにして営業利益を証明するか、あきらめずに、一緒に考えていきましょう。
