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譲渡承諾請求、建替承諾請求

借地上にある建物の譲渡や建て替えをしたい場合、一般的には地主からの承諾が必要になります。
しかし、地主から承諾がもらえない時はどのように対処すれば良いのでしょうか。
そこで、本記事では借地権の譲渡における承諾の必要性や承諾を得られない場合の対応方法について解説します。
また、譲渡以外で承諾や承諾料が必要となるケースも紹介しますので、ぜひ確認してみてください。
 

借地権の譲渡承諾の必要性

借地権は借地人が賃料を支払うことと引き換えに、地主の所有する土地を利用させてもらう権利です。
地主からすると自分の土地を利用させるのですから、誰が借主かは重要な要素ですので、借地人が借地権を第三者に譲渡する場合、地主の承諾が必要です。
 
なお、地主からの承諾を得る際には譲渡承諾料を支払うのが一般的です。
 
譲渡承諾料の金額は、土地の価値や地域の需要供給状況、借地契約の内容などで異なりますが、一般的には借地権価格の10%程度が目安とされることが多いです。
 
地主の承諾なく、借地権を譲渡すると賃貸借契約の解除事由となります。
 

地主が承諾してくれない場合は?

地主と話あっても、どうしても地主が譲渡を承諾してくれない場合も多いです。
地主の承諾が得られない場合は、借地権譲渡許可の申し立てによる手続きで借地権を譲渡する方法があります。
当該手続きは地主から借地権の譲渡について合意を得られない場合に、裁判所に対して譲渡や転貸の許可を求める手続きです。
 
なお、手続きの流れは下記のとおりです。
 

  • ① 借地権者が申立書と必要資料を裁判所に提出
  • ② 地主が答弁書を出して反論
  • ③ 裁判所にて裁判官が借地人や地主から審問を行う。審問期日では双方の主張を整理する
  • ④ 鑑定等を行い裁判所が判断に必要な情報を集める
  • ⑤ 裁判所が結論を出します

 
ちなみに、地主側は借地権を買い取りたい場合に介入権を行使できます。
介入権は第三者より優先して買い取りができる権利であり、価格は裁判所が鑑定で決定します。
 

その他の承諾が必要なケース

譲渡以外でも地主からの承諾が必要となる場合があります。
 

① 借地上の建物の増改築をする場合

一般的に、借地上の建物には「増改築を禁止する特約」が契約で付されています。
したがって、借地上の建物のリフォーム・建て替え等をする場合には、地主の承諾を得なければいけません。
 
なお、増改築の場合でも譲渡と同じく、地主に対して承諾料を支払います。
相場はケースによって異なりますが、おおよそ更地価格の2~3%程度になっています。
 
ちなみに、どの程度の工事が増築や改築となるのかには注意が必要です。
また、修理に関しても大規模なものは地主の許可が必要になるケースがあります。
修理と自己判断して無断での工事を行うと、後で地主側から違反であるとして契約解除される可能性があるため気を付けましょう。
 

② 借地上の建物の建替をする場合

建物の建て替えの場合でも増改築と同じく、地主に対して承諾料を支払います。
相場はケースによって異なりますが、おおよそ以下ようになっています。
 

同じ条件での建て替え承諾料
更地価格の3~5%程度
木造から鉄筋コンクリート造等に建て替える際の承諾料(条件変更承諾料)
更地価格の10%程度

 

② 相続人以外に遺贈を行う場合

遺贈に関しては譲渡に該当するため、地主から承諾を得る必要があります。
遺贈とは、遺言によって相続人以外の人間や団体等に遺産を無償で譲ることです。
したがって、借地権が第三者に移転するため承諾料が必要になります。
 

承諾が必要となる範囲の確認は重要です

借地権の譲渡や借地上の建物の建て替え等を行う際には、地主の承諾が必要となります。
無断譲渡や無断増改築などは致命的な問題になりますので地主の承諾が必要になる範囲を事前にしっかりと確認しておくことが大事です。
 
借地権の譲渡等を考えるときには、必ず事前に弁護士などの専門家に相談しておくことをおすすめします。

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