不動産の任意売却
住宅ローンなどの借入金の返済が難しくなった場合、任意売却を行えば不動産を高く売却できる可能性があります。
しかし、実際の売却の手続きはどのように行えば良いのでしょうか。
そこで、本記事では不動産の任意売却の概要やメリット・デメリット、手続きの流れや注意点を解説します。
不動産の任意売却とは？
任意売却とは、住宅ローン等の借入金の返済が難しくなった場合に、金融機関の同意を得て不動産を売却することを指します。
不動産の売却資金より借入金の残高が多く、残債が残ってしまうとしても売却ができます。
通常、住宅ローンを滞納し続けると不動産は競売にかけられますが、任意売却であれば競売よりも高い金額で売れる可能性があります。
したがって、住宅ローンの返済が難しいと感じた場合、任意売却も選択肢の一つとして考えておきましょう。
ただし、任意売却にはデメリットや注意すべき点もあります。
また、金融機関とも相談しながら進めるのが成功のポイントですので、本記事を見ながら準備を進めてみてください。
任意売却のメリット
任意売却には下記のようなメリットがありますので、事前に確認しておきましょう。
① 市場価格での売却が可能
市場価格での売却であるため、競売に比べて高く売れる可能性があります。
高い金額で売却できれば売却後の残債額も少なくなり、返済が楽になるでしょう。
② 売却の事情を知られない
競売では、Webサイトや新聞等に公募の情報が掲載されるため、知り合いに競売の事実を知られる可能性があります。
一方、任意売却は通常の仲介と同様に売却ができますので、滞納を知られる心配がありません。
③ 引越し日の相談ができる
競売は、売却後すぐに不動産を明け渡す必要があります。
しかし、任意売却は一般の売買と同じように、買主と引越し期日の相談などができます。
任意売却のデメリット
任意売却には前述のメリットがある一方、以下のようなデメリットもあります。
① 金融機関の同意や手続きが必要
任意売却時には、金融機関の了承を得て不動産の抵当権を抹消しなければいけません。
したがって、金融機関との交渉や任意売却に関する手続きを行う負担があります。
② 連帯債務者や連帯保証人の同意が必要
借入時に連帯債務者や連帯保証人を設定していた場合、その方々からも任意売却の同意を得る必要があります。
③ 個人信用情報に記録される
任意売却できてもローンを延滞した事実は残るため、個人の信用情報に傷がついてしまいます。
ブラックリストに登録されると、一定期間はカードの作成・ローンを組むことができなくなります。
任意売却の手続きの流れ
不動産の任意売却は、主な流れを下記に示します。
① 金融機関からの督促
ローンを滞納すると金融機関から督促状などの連絡が来ます。
連絡を無視すると、不動産の差し押さえや競売の準備が進められるため注意しましょう。
② 返済計画の見直し・任意売却の交渉
金融機関に事情を説明・相談しながら返済計画や返済方法の見直しを行います。
それでも返済が難しければ、任意売却の交渉を開始します。
③ 不動産会社から査定を受ける
任意売却の同意を得られた場合、不動産会社に査定を依頼して売り出し価格を決定します。
なお、売り出し価格は金融機関から同意を得る必要があります。
④ 任意売却の開始
金融機関から売却条件について許可が出れば、不動産会社が任意売却を開始します。
一般の不動産仲介と同じように売却は行われます。
⑤ 売買契約の締結
買い手が見つかれば、金融機関から許可をもらい売買契約を締結します。
なお、売却できなかった場合は競売に移行してしまうため、売却条件の設定は重要なポイントです。
⑥ 決済および返済の継続
売買で決済・引き渡しを行った後は、売却代金を残債の返済に充てます。
残債がある場合は、返済を継続します。
任意売却を行う際の注意点
任意売却を行う際には、以下の点に注意しましょう。
① 売却の準備は早めに準備は行う
任意売却は金融機関との交渉や各種手続き、買い手との話し合い等で時間が掛かります。
売却成立までに数カ月から半年程度は掛かりますので、早めに準備はしておきましょう。
② 任意売却に慣れた専門家に相談する
任意売却は債務整理の一つですので、不動産だけでなく法律の知識も不可欠です。
したがって、任意売却に慣れた金融機関の担当者、弁護士、不動産会社、税理士などに相談しながら行いしましょう。
任意売却の成功には早期の対応と専門家の協力が必須です
任意売却の概要やメリット・デメリット、手続きの流れや注意点を解説しました。
任意売却は競売と異なり、高い金額で不動産を売却できるメリットがあります。
しかし、売却までには時間や手間が掛かるため、スムーズに売買を成立させる準備が必要です。
成功の秘訣は早期の判断・対応と、任意売却の実績のある専門家からの協力ですので、ぜひ本記事をチェックしながら手続きを進めてみて下さい。
